シチューオンライスに対する圧倒的対抗心
寒い、寒すぎる。
人は異常な温度差に自律神経をよくやられがちだが、私もその一人である。
先週の今頃はショーパンにTシャツで、タオルケットで寝ていた。もちろん口を開けて。
しかし、である。今は先週とは打って変わり、トレーナーにユニクロのヒートテックレギンスを履き、ブランケットに包まってソファーで死んでいる。寒すぎる。心が病んで来る。
そんな時に好きな食べ物第3位のシチューが夜ご飯だった時の、「生きていてよかった、、、」感はハンパない。私はこういった些細な絶望と些細な幸せに揺さぶられながら情緒不安定な生活を送っている。
シチューはもちろん、ご飯にかける。
生まれてから私はシチューをご飯にかけて食べるもの、として認識している。
しかし、家族が全員そうなわけではない。
父親はシチューをスープと同じような部類だと思い込んで、パンと一緒に食べている。
人の食べ方に口を開いてわざわざイチャモンはつけないが、心の中の私は「信じられない、、」と青ざめてまた病む。
シチューはご飯にかけるべきして他にどうやって食べるかが分からない。もはやカレーよりもシチューの方がご飯に合う。
更に、私の家ではシチューには必ず、ウズラの卵をいれる。これについては、最高、としか言いようがない。最初に誰がシチューに、具として野菜たちと共にウズラの卵を入れようと、私の母に入れ知恵したのか、聞きたいが、特に聞いていない。
普通にゆで卵は美味しいが、デカすぎる。手軽に食べれるゆで卵、そう、それがウズラの卵。あの美味しさがそのまま小さく凝縮され、口の中で弾ける。そしてあの濃厚ななんとも言えないホワイトソースと絡む。ご飯もめちゃめちゃ絡み合って来る。幸せな食べ物以外の何者でもない。
しかし私は最近あるCMを見かけ、眉をひそめた。
「シチューオンライス」
ご飯にかける為のシチュー、という売り方らしいが、私には全く理解できなかった。
だって私は生まれてから、シチューをご飯でしか食べたことがない。それ以外の方法で、世界はシチューを食べ続け、挙げ句の果てには「シチューをご飯で食べてみてもおいしいですよ💁♀️」と訴えかけなければいけないほど、シチューご飯人口は少なかったのだろうか。
私は悲しかった。
だからシチューオンライスのCMを見るたびに病む。
でも食べてみてもいいのかもしれない。何事も知ろうとしないで文句を言うことは違うと思っている。例えば好きな少女漫画がまた実写化をされてふざけるな!と思いつつも、見ないと文句は言うべきではないという変な考えが、私にはある。
理想のOLは今日も、仕事から疲れて帰ってきても、具沢山のシチューをオレンジ色のホーロー鍋で作っている。
もちろん仕事で疲れて帰ってくる田中圭のために。
辞めたい